「願いとか、希望とか……悪く言っちゃうと『欲望』?」

キラ 「アスラン! ここにいたの。もう寝ないと、傷に障るよ? 朝には発進なんだから」
アスラン 「ああ。……ここはこんなに静かなのにな。何で俺達はずっとこんな世界にいられないんだろう」
キラ 「……それは、夢があるからじゃない?」
アスラン 「え?」
キラ 「願いとか、希望とか……悪く言っちゃうと『欲望』?」
アスラン 「お前?」
キラ 「でも、そういうことでしょう? 『ああしたい』とか『こうなりたい』とか、みんな思うからここにいられないんだ。アスランだってそうじゃない? 僕もそうだし、カガリやラクスもみんなそうだと思うよ」
アスラン 「そして議長の言う世界にはそれがない」
キラ 「うん……ある意味、ずっと『ここ』にはいられるよ。ってか、ずっと『ここ』にいろってことでしょう?」
アスラン 「そうだな」
キラ 「それなら、確かに何も起きないから、こんな戦争も起きないだろうけど、でも僕は……」
アスラン 「俺も嫌だ」

▼いやだいいやだい、ツインテールに戻しては!
 と、訳の分からないことを心の中で叫びながら(笑)、今週のDESTINYを見終えました。
 でも、髪を下ろしたままの方がずっと美人さんで可愛いと思うのですよ。
▼それと、今週のラクカガ。
 Bパートで月明かりの下、キラとアスランの語り合う場面がありました(上記引用会話)。そしてそんな二人の姿を見て微笑し、そっとその場を立ち去るラクスの描写も。
 あの時の彼女の内心は普通に解釈するなら
(親友どうし、語らせてあげましょう)
(女の自分が殿方の間に割り込むのは無粋ですわ)
という感じだったと思います。ラクス、すっかりキラの奥さんですね(笑)。
 ただし。
 ラクカガフィルターを通すと、あのシーンはこうなります。


(やっぱりこいつら○モですわ……)
 元婚約者と今の恋人がホ○! そんな己の境遇を自嘲気味に笑い、キラ達に背を向けるラクス。彼女は心の中でそっと呟きます。
(わたくしにはカガリさんしかいない……)


 うむ、萌え……ないですね(笑)。上の数行は忘れちゃってください。

▼ところで、今回OPが少し変わりました。アカツキとムウのカット。あれでちょっと笑ってしまいました。まずは次の文章を読んでください。


> アスカガ
今はオーブ自体が大変な時期で、カガリは(ウズミのいた前作とは違い、今作では)そのオーブの指導者なわけですから、異性のことばかり考えている余裕は無いのではないでしょうか。
だからこの二人の絡む描写が少ないのではないかな、と思います。

> アカツキに乗ったカガリが種割れ
物語の中でのカガリの今後の扱いはどうなるのでしょうね。
アークエンジェルは宇宙へ行くようですが、それにカガリは同行するのかどうか。
軍の指揮者として最前線で戦うのか、政治家として後方でキラ達をバックアップするのか。
OPのアカツキは宇宙で戦っている姿を描かれていますが、あそこのカガリの絵が前触れも無しにムウに変わってしまいそうな気もしております(笑)。


 ↑の文章は掲示板の返信で書いたものなのですが、ラストの一行は勢いで書いたら、何とその通りに(笑)。
 記念に、適当な予感の赴くまま、根拠の無い予想をもう一個書いてしまいましょう。
 LAST-PHASEのタイトルは『カガリ』(予想)。
 「予想」「予感」というよりは「希望」なのですが(汗)。
 今作ではまだ一度もカガリの名前がタイトルに使われてないんですよねー。
 「アスラン脱走」「天空のキラ」「二人のラクス」…とメイン四人組のうち三人は名前がタイトルに使われたのですから、カガリもタイトルに名前が出ないかな、と。
 かつてこんな遣り取りがありました。

キラ 「ありがとう。これで僕はまたちゃんと戦える…僕の戦いを」
ラクス 「キラ……」
キラ 「待ってて、すぐに戻るから。そして帰ろう、みんなの所へ」
ラクス 「……はい!」
(PHASE-39 天空のキラ)

 今回、キラ達は宇宙へと飛びたちました。宇宙では辛く苦しい戦いが待っていることでしょう。
 そして、全てが終わった後、キラ達の帰るべき場所はオーブです。
 そのオーブで彼らを待っているのはカガリ。
 だから、最終回のタイトルは『カガリ』というのも良いのではないかな、と。
 さらに言うなら、『DESTINY』のPHASE-01のタイトルは『怒れる瞳』でした。この「瞳」はおそらくシンのものです。「怒れる瞳」が見つめる先にあったのは「カガリ」だったというのも、結構『DESTINY』の物語を象徴しているようで収まりが良いんじゃないかな、とも。
 ……と、ここまで書いて気づきました。そういえばシンもタイトルになったことがないんですよね。うーん、ではラストは『カガリとシン』で(笑)。
▼上記に引用した今回のキラとアスランの会話は、『DESTINY』の作品世界において、議長は「完璧な秩序」を、キラは「自由」を象徴する存在であることがはっきりと分かる会話でした。
 別の言い方をするならば、議長の見ているものは「社会」「人間の集団」、キラの見ているものは「個人」「友人や家族」ではないでしょうか。
 つまり、議長は「世界」を見据えた物言いをすることが多いです。
 しかし、キラはそうではない。彼の行動原理はすごく単純明快です。

「分かるけど……君の言うことも分かるけど! でも、カガリは今泣いているんだ! こんなことになるのが嫌で、今泣いているんだぞ! なぜ君はそれが分からない! なのに、この戦闘も、この犠牲も仕方のないことだって……全てオーブと…カガリのせいだって、そう言って君は撃つのか!? 今カガリが守ろうとしているものを! なら、僕は…君を討つ!」
(PHASE-28 残る命散る命)

 ここで引用した会話から分かるように、キラは身近な、大切な人達のために戦っています。大義を掲げ、その下で戦っているわけではありません。
 今回の物語におけるキラの行動を追うと、そのことがよく分かります。
 彼がフリーダムに再び乗ったのは、ラクスの命を守るため。
 彼がオーブを出奔したのは、望まぬ婚姻からカガリを救うため。
 地球連合とザフトの戦いに介入したのは、カガリが泣いているから。
 そして、今彼が戦っているのは、「ラクスやカガリ」の「未来を切り拓こうと」する「努力を打ち砕こうとするなんて許せない」から(PHASE-41)。
 つまり、キラは「個人」あるいは「個人の想い」を大切にしているといえます。そして、「個々の人間が幸せになることで、結果として全ての人が幸せになれるといいね」と考えているのではないでしょうか。
 それに対し、DESTINYプランから察する限り、議長は人間を「社会」の「パーツ」として考えているようです。議長の考える「人間」とは「社会の一部、歯車」。だから、社会全体が幸福になれば、その一部である人間も幸福になれる、と考えているのだと思います。
 そして、キラと議長のどちらの考え方に共感できるかで、視聴者にとっての主人公陣営が決まるのではないでしょうか。

[17-08-27]