「ダルダロスの暁作戦開始!」

▼『マーダーホレス』
 『ポートクリス』
 といえば、『トラキア776』のケンプフ閣下命名のナイスな作戦名なのですが、今回のユウナ様も閣下に劣らぬネーミングセンスを披露してくれました。

ユウナ様 「よーし、始めようか! ダルダロスの暁作戦開始! 何だ、知らないの? ゼウスとエレクトラの子で、この海峡の名前の由来の。ギリシャ神話だよ。ちょっと格好良い作戦名だろ」

 そのユウナ様の素敵ウィンクとか、ハイネいい奴・風に靡く髪が美しいとか、アスシン仲良いなーとか、オーブって主人公勢力の扱いだなーとか、まあ、色々書きたいこともあったのですが、ラストで全て吹き飛びました。

 次々と撃墜されていくムラサメやアストレイ。
 劣勢のオーブ軍に援護の手を差し延べようともせず、不可解な沈黙を続けるファントム・ペインのフラガ。
 やがてターンホイザーの起動を命じるタリア。
 ……マズイ、このままではマズイですよ、オーブ護衛艦群、そしてトダカ一佐が。
 いつ出るんだろ、アークエンジェル。
 早くしないとミネルバにトダカ一佐が殺されちゃうよー、とジリジリしながらカガリ一派の登場を待っていたのですが……

 ターンホイザーに砲塔に火が入り、あわや発射という瞬間、横合いからそれを打ち抜く一条の光。
 そして、驚愕の表情で人々が見守る中、天空より舞い降りる「剣」フリーダム。

 この時点でそれまでの感想は全てリセット。頭の中は真っ白。
 フリーダム、格好良すぎます。
 わずか数秒の登場でしたが、圧倒的な存在感でしたね。
 ある意味、お約束の演出ではありましたが、だからこそ映えるわけでもありまして……何度も何度も繰り返して見返しました、今回のラストシーン(汗)。

熱き海、切り裂け、グフ。

 白き機体、蒼き翼。
 それはかつてよく知る友のもの。
 動乱の刻を経てなお親しいその彼が今また同胞を撃つのは何故か。
 混迷の戦場に響き渡るカガリの言葉は。
 次回、機動戦士ガンダムSEED DESTINY「戦火の蔭」。
 熱き海、切り裂け、グフ。

▼さて、次回予告ですが、ここで言われている「彼」=キラである以上、「動乱の刻を経てなお親しいその彼が今また同胞を撃つのは何故か」という感想はアスランのものであることになります。
 そしてこの場合の「同朋」とはコーディネイターのこと。
 すなわち、アスランはキラの今回の行為を「同じコーディネイターでありながらなぜ敵対するのか」と捉えることになる可能性が強いわけです。
 これでは前作の彼とほとんど同じ思考ですよね。
 かつてアスランは言いました。

アスラン 「一緒に来いと何度も言った! あいつはコーディネイターだ! 俺たちの仲間なんだ! 地球軍にいることの方がおかしい!」
(SEED PHASE-31 慟哭の空)

 上記に引用した次回予告のメッセージはこの時の彼のセリフに通じるものがあるように感じます。
 ところで、アスランはナチュラルであるカガリに対して深い愛情を抱いている。これは疑いようのない事実です。
 その彼にして「ナチュラルVSコーディネイター」という対立構造を頭のどこかで引き摺っているとするならば、他の大部分のコーディネイター達の考えていることは推して知るべし、なわけで。
 DESTINYの物語はかなり悲しい方向へ進むのではないか。そんな気が今はしています。

[17-03-20]