「貴様、そんな所で何をやっている!」

アスラン 「だが、まだまだだ。もっと細かく砕かないと」
ディアッカ 「アスラン!?」
イザーク 「貴様、そんな所で何をやっている!」
アスラン 「そんなことはどうでもいい! 今は作業を急ぐんだ」
ディアッカ 「あ、ああ」
イザーク 「分かっている!」
アスラン 「相変わらずだな、イザーク」
イザーク 「貴様もだ!」
ディアッカ 「やれやれ」

▼この間約1分。イザークが本当に嬉しそうで、もうずっとニヤニヤしてました(笑)。
 ありえない笑顔のイザーク再び♪ いや、三度目? とにかくもえもえ♪
 道を外れ、姿を消したかつてのライバルがちゃんと生きていた。それを知っただけでもう喜びでいっぱい、という感じなんでしょうね。
 先週からずっと彼らはどんな再会を果たすんだろうとドキドキしていましたが、最高の再会シーンでした。

「ヤキン・ドゥーエで生き残ったパイロット」

シン 「あれが……ヤキン・ドゥーエで生き残ったパイロットの力かよ」

▼馴染みのキャラが誉められると嬉しいですよね。
 「もっと誉めてー誉めまくってー」という感じです(笑)。
 ただ、このような新作キャラの視点の描写が入ったことで、「ああ、やっぱりアスラン達は『旧』作にカテゴライズされたキャラなんだな」と実感しました。
 つまり、そろそろシンに主人公のポジションが移行するのかな、と。
 ……それなのに何ですか、あの次回予告のナレーションは(笑)。

「再び燃え上がる大地にキラは……」

 すっかりキラ視点で語られているのですが。
 シンが主役になる日はもうちょっと先みたいですね。

「パトリック・ザラの採った道こそが」

「軟弱なクラインの後継者どもに騙され、ザフトは変わってしまった! なぜ気づかぬか! 我らコーディネイターにとって、パトリック・ザラの採った道こそが唯一正しきものと!」

▼  大きすぎる父の幻影──アスランはやはりUCシリーズにおけるシャアのポジションなのでしょう。
 この二人の違う点は、シャアの父ジオン・ダイクンには人類のニュータイプへの革新を説いた、いわば未来への希望のイメージがあるのに対し、アスランの父パトリック・ザラにはナチュラルへの復讐という昏い負のイメージがあるということでしょうか。
 前作ラストにおいて、アスランはジェネシスと共に自爆し自らの命を絶つことで、父のことを含めた全てに決着をつけようとしました。
 これに対し、カガリが「逃げるな、生きることが戦いだ」と彼の魂を導いた。
 そして二年が過ぎ──アスランの前に父の負の遺産=旧ザラ派が姿を見せようとしています。
 カガリと共に過ごす暖かで穏やかな時は終わり、今、ようやくアスランにとっての「戦い」が始まろうとしているのかもしれません。

[16-11-20]

「あなたみたいな人がなんでオーブになんか」

シン 「何をやってるんです。帰還命令が出たでしょう。通信も入ったはずだ」
アスラン 「ああ、分かってる。君は早く戻れ」
シン 「一緒に吹っ飛ばされますよ。いいんですか」
アスラン 「ミネルバの艦首砲といっても、外からの攻撃では確実とは言えない。これだけでも」
シン 「……」
アスラン 「?」
シン 「あなたみたいな人がなんでオーブになんか」
アスラン 「……」

▼皆が撤退する中、最後まで踏みとどまって作業を続けるアスラン。
 気力・胆力・分析力に優れた彼の印象をアピールするシーンでした。
 そしてそんな彼に感銘を受けるシン。言い方には刺がありましたが、「あなたみたいな人が〜」という台詞は明らかにアスランの力量を認めた台詞でした。
 何というか、シンの背後に「パタパタと楽しそうに尻尾を振る子犬」のイメージが重なってしまった場面でした(笑)。

しかしアスラン、無駄死にではないぞ

タリア 「インパルスと彼のザクは?」
メイリン 「駄目です。位置、特定できません!」
カガリ 「アスラン!」

▼大気圏に落下したシンのインパルスとアスランのザク。どうせ危ないことは全然無いのでしょうが、来週、こんな台詞があれば狂喜乱舞します。

カガリ 「デュランダル議長、このままではアスランが!」
議長 「残念ですが姫、ザクには大気圏を突破する性能はありません。気の毒ですが……しかしアスラン、無駄死にではないぞ。君ががんばってくれたおかげでユニウスセブンを破壊することができるのだ」

 もちろん元ネタは1stガンダムの第5話『大気圏突入』におけるシャアの台詞です(笑)。
 あっ、そういえば議長はもうミネルバを退艦したのでした。
 ……くっ、この肝心な時に!

「キラ……?」

ラクス 「さあ、みんないらっしゃい。わたくしに付いてきてくださいね」
こども 「なぁに?」「どこ行くの?」「あー、わかった。おつかい?」「まだ遊びたいよぉ」
ラクス 「キラ……?」

▼皆で避難しようという時に──そして、急いで避難しないと危ないという時に、フラフラと姿を晦ませて団体行動を乱す男、キラ。
 まるで危機感を感じていない表情でぼんやりと夜空を見上げる彼には、どことなく『ZZ』に登場した時のカミーユのイメージがありました。
 もしかすると、『SEED』の最終回でクルーゼに精神を持っていかれてしまったのか、あるいはラストで宇宙空間を漂っているうちに酸素欠乏症になってしまったのか。
 まあ、そんなことは無いでしょうが(笑)。
 ただ、AFTER-PHASEにおいて生きる気力を失っているように見えたキラですが、今回の無気力な表情から判断すると、どうやらその状態は今も続いているみたいです。

キラ 「不思議……だよね。僕はなんでこうして生きて……食べたり……眠ったりしてるのかな……」
(「AFTER-PHASE 星のはざまで」より)

 このような状態のままの彼を二年間も甲斐甲斐しく世話し、見守ってきたであろうラクスのことを思うと、彼女が健気で、かわいそうで、切なくなりました。
 ……もっとも、今回だけの乏しい判断材料でここまで妄想するのは早計かも知れません(汗)。それにしても、キラは親元には結局戻らなかったのですね。

[16-11-21]