PHASE-07全体感想

▼まずはラクスの歌。
 本当はこんな感じの歌声が宇宙空間を鳴り響き、人々が癒されて行くラストシーンを前作で期待していたことを思い出しました。
 今回のキラもやる気なさげなのが気になります。もしかするとシェルターまでラクスの手で浜辺から無理やり引っ張ってこられたのでしょうか。結局、先週のラストで何を呟いたのか分からずじまいだったのが残念です。
▼次いで何だかしおらしい雰囲気の姫様。
 アスランのことが心配で不安でドキドキドキドキ。いじらしかったです。
▼そして「アスランさんアスランさん」と必死なシン。「その方がいいのか」といつのまにか彼と馴れ合っているアスラン。そう言われて拗ねるシン。
 やっぱりアスランと絡む時のシンの背後には尻尾をパタパタ振っている子犬の幻影が見えてしまいます(笑)。アスラン大好きシン・アスカ。
▼アスラン目指してまっしぐらな姫様。かわいいですね。
▼その後、またまたシンの絶叫。カルシウム足りない。でも、アスランと仲良くしている姫様に対してジェラシッているようにも見えるような見えないような……もしかすると姫様、男とアスランを取り合うことになるのでしょうか(笑)。
 などというしょうもない冗談はともかく、この場面のカガリを見ていて、彼女はこの世の生あるもの全てに対して深い愛情を抱いているんだろうな、と感じました。
 彼女自身が素直な性格で他者への善意しか持っていないから、誰か他人が悪意を抱くということは想像することができない。その辺りにシンは苛ついているようでした。
 ですから、実務家としてはちょっとアレですが、象徴君主としては(補佐役がしっかりしているなら)カガリはうってつけの存在でしょうね。
▼最後に射撃場でアスランに「ザフトに戻って戻って」とおねだりするシンとルナマリア。
 尻尾を振り振りして懐いてくるわんこが二匹というイメージで、「うーん、かわいい奴らめv」と思いながらあの場面を見ていました。アスランもてもて(笑)。
 そんな彼らの雰囲気やアスランのぐらついている様子に不安そうなカガリもヒロインっぽくてナイス。
 たぶん、アスカガはいったん離れることになるのでしょう。EDテーマで歌われている通りに、遠く離れていても心は近くにあるという感じで。うん、やっぱりアスカガソング。
▼で、ラスト・シーンはアスランで締め。シンとのW主人公のはずなのに、やっぱりいまだにアスラン単独主人公状態ですねー。これでいいのか、悪いのか。つまり、『Z』でいうなら、カミーユよりも出番があるクワトロ(シャア)という印象です。
▼そういえば、議長と一緒にいた娘さん(かオバ様かは分かりませんが)は誰なのでしょう。気になる気になる。
 それと次回予告のカガリと同じ服装をした紫髪の青年も。
 たぶん五大首長家の一員なのでしょうが、何となくコーディネイターのイメージがあります。前作以来、登場したナチュラル・キャラの髪の色は皆現実に存在する人間のそれと同じ色で、紫髪のナチュラルは今のところいませんよね。
 理知的な風貌でしたし、彼がカガリの補佐役として実務面でオーブをまとめているのかな?

[16-11-27]

「ヤキン・ドゥーエ戦でのことも含めてね」

ルナマリア 「一緒にやります?」
アスラン 「え、いや、俺は……」
ルナマリア 「本当は私達皆、あなたのことよく知ってるわ」
アスラン 「……え」
ルナマリア 「元ザフトレッド・クルーゼ隊。戦争中盤では最強といわれたストライクを討ち、その後国防委員会直属特務隊フェイス所属。ZGNFXO9Aジャスティスのパイロットのアスラン・ザラでしょ」
アスラン 「……」
ルナマリア 「お父さんのことは知りませんけど、その人はあたし達の間じゃ英雄だわ。ヤキン・ドゥーエ戦でのことも含めてね」
アスラン 「え……あ……いや……」
ルナマリア 「射撃の腕もかなりのものと聞いてますけど?」
アスラン 「……」
ルナマリア 「お・手・本。実はあたし、あまり上手くないんです」

 ルナマリア 「元ザフトレッド・クルーゼ隊(以下略)」
 メイリン (お姉ちゃん、その人の経歴について、どうしてそんなに詳しいの……)
 レイ (メイリン、聞いていいか? 彼は俺達みんなの英雄だったのか? 俺は初耳だ)
 メイリン (あたしに聞かないで、レイ。あたし、お姉ちゃんについての認識を改めているところなんだから)
 ルナマリア 「お・手・本v」
 レイ (どうしてルナマリアはあんなに浮かれているんだ?)
 メイリン (だから、あたしに聞かないでってば)

▼こんなひそひそ話をしていそうな今回のレイとメイリンでした(笑)。
 姉の浮かれた様子を呆気にとられて見ているメイリン。そして、「射撃の腕もかなりのものと聞いてますけど?」とルナマリアが銃をアスランに渡す光景を見た途端、不機嫌そうにゲシュンゲシュンと発砲するレイに萌え(笑)。
 とりあえず現在の気持ちのベクトルは次のような感じでしょうか。
   ルナマリア←レイ
     ↓
 シン→アスラン→カガリ

▼アスランにとってプラントこそが故郷であり、どうやらそこで自分は疎まれていないらしい。それどころか、ルナマリアやシンなどは、遠まわしな言い方ですが、彼のことが必要だと言っている。
 心がグラグラ揺れてしまうのは仕方のないことでしょう。
 そして、そんなアスランを不安そうに見つめるカガリ……

▼ルナマリアの「その人はあたし達の間じゃ英雄だわ。ヤキン・ドゥーエ戦でのことも含めてね」という科白は、アスランにとってかなりインパクトがあったと思います。
 PHASE-06でアスランは

「なぜ気づかぬか! 我らコーディネイターにとって、パトリック・ザラの採った道こそが唯一正しきものと!」

 という主張を耳にし、かなり打ちのめされていました。
 ところが、ルナマリアの科白はそれと反対の内容です。
 「ヤキン・ドゥーエ戦でのことも含めて」という彼女の言葉は、前作で父パトリックの所業を否定したアスランのことを全面的に肯定する意味を持っていると思います。
 つまり、アスランにとってかなり救いとなる言葉だったんじゃないかな、と思うのです。
 だから、ルナマリアに銃を手渡された時、彼らと和やかに付き合うことができた。
 そしてルナマリアが「敵」という言葉を口にした時にアスランの表情が強張ったのも、その文脈で理解できるのではないでしょうか。

[16-11-28]