「うわ、すごいね、このドレス」
ユウナ 「『いえ、大丈夫ですわ。ご心配なく』だろ」
カガリ 「……!」
ユウナ 「しっかりしろよ。ほら、マスコミも山ほどいるんだぞ。もっとにこやかな顔して」
この場面のユウナは幼な妻を諭し導く雰囲気で、なかなかに好印象でした。
それがまさか、
ユウナ 「ひ、ひぃぃぃっ、ふわぁぁぁぁぁ!!」
となるなんて……嫌味系エリート好きとしては、ユウナに思いっきり期待していただけに、何だかとても残念です。
まあ、ユウナは生粋の軍人ではないでしょうから、フリーダムという凶悪な破壊兵器を前に取り乱すのは、仕方ないといえば仕方のないことなのですが。
それと、この場面で他に気になったことといえば、ユウナ自身も口にしていた「山ほどいるマスコミ」ですね。
カガリ達の結婚式はおそらくオーブ全土にライブ中継されていたでしょうから、フリーダムを前にして取り乱し花嫁の背中に隠れたユウナの姿と真っ白なドレスを風に靡かせて彼を庇うように立ちはだかるカガリの勇姿をオーブ国民の皆さんはライブで視聴することになったわけで……
カガリのイメージアップに貢献する映像である可能性は大ですよね。前大戦のことも含めて、カガリに“オルレアンの少女”のイメージを重ねてしまうオーブ国民も多いかも知れません。
…いや、もうすでにルナマリアから「前大戦の英雄」と呼ばれていましたっけ。よその国の少女にそう呼ばれるくらいですから、自国民の熱狂度はもっとすごいものがあるかも知れません。
実物のカガリは泣きべそで口の悪い娘さんなだけに、彼女に夢を見ていたファンが本物と会った時に感じる落差もすごそうですが(笑)。
▼それにしても、ユウナはカガリを奪われて心底悲しそうな表情を見せました。
もちろん彼女との結婚を権力掌握の手段の一つとして見ていた面はあるでしょうが、どうやらユウナは純粋にカガリが好きだという気持ちも持っていたみたいですね。
今回の屈辱をバネにして、一皮剥けた姿で彼が再登場することを願います。
……ただ、次のような文章が頭に思い浮かんだことも事実だったりします(汗)。
「物を取られて人を殺す者はいないが、女を取られたら刺し殺してでも復讐をしてやろうと思う者が出て来る」
(阿川弘之『日本海軍に捧ぐ』より)
これからユウナがどのような変貌を遂げるのか、あるいは遂げないのか、興味津々です。
▼今回、かなり好きなのが、次の台詞を言われた後のキラの笑顔です。
カガリ 「何をする! キラ!」
カガリを愛しそうに見つめて微笑するキラ…… Aパートであれだけアスカガ回想が繰り返されたのに、キラカガフラグが立ったのではないかと勘繰ってしまいたくなる描写でした。
というか、今回のこのシーンだけしか知らない人には、キラカガフラグとしか見えないかも知れません(笑)。
▼そして白い鳩達を従えて飛ぶフリーダム。
この演出にはどのような意図がこめられているのでしょう。
鳩は平和の象徴とされていますが、「鳩」を使った有名な言葉には、
「スイス五百年の平和が生んだのは鳩時計だけだ」(オーソン・ウェルズ)
というものもあります。この鳩が舞うシーンと平和国家を標榜するオーブ。何かの暗喩があるのかも知れませんね。
それはともかく、
カガリ 「おろせ、馬鹿! こら! キラ!」
ようやく本来の調子を取り戻したような元気な台詞をカガリは口にしました。PHASE-01以来、陰々滅々な台詞が多かっただけに、何だかほっとするシーンでした。家族愛萌え。
そして、キラもカガリの前では本来の飄々とした性格を取り戻します。
キラ 「うわ、すごいね、このドレス」
カガリ 「お前」
キラ 「ちょっと黙ってて」
↑キラ、余裕たっぷりですね(笑)。
恋愛とかそういうものとは無関係な二人ですが、やっぱりこのコンビが大好きです。
[17-01-16]