「ラクスはそんなことはしない!」

アスラン 「何でこんなことするんだ、君は!」
ミーア 「え? だって久しぶりに婚約者に会ったら普通は……」
アスラン 「ラクスは……そんなことはしない!」
ミーア 「え?」
アスラン 「あ」

▼今回のお話は冒頭から笑いながら観てました。楽しすぎます、アスラン・ハーレム(笑)。
 といっても、アスラン自身はその気が無いので、実際にはハーレムと呼ぶのはふさわしくありませんが。
 それに、笑って観ているというのも、本質的に生真面目で実直な彼が女の子達に振り回されて困惑している姿が愉快なのですしね。
 もしアスランがナンパ系の好色家で(今の状況を楽しんでしまおう)と考えるタイプの享楽主義者だったなら、最近の『DESTINY』の展開は微妙な印象だったかも知れません。
 ところで、ミーアは「久しぶりに婚約者に会ったら普通は」と言いました。
 このセリフを聞いて、アスランとラクスの婚約はプラントにおいてどのように捉えられていたのか、ちょっと気になった次第です。
 つまり、「アスランとラクスは(ザラ家とクライン家の間の)単なる政略結婚以上の関係を築いている」とミーアが考えているから、彼女はこのような言葉を口にしたわけですよね。
 そして、ミーアがそう考えている以上、それなりの根拠(=プラントにおける報道)があるはずですから。
▼ところで、カガリやアスランを「前大戦の英雄」と捉えているロマンティストの多いプラント市民です。
 そんな彼らがザフトのトップガンたるアスランとプラントの歌姫ラクスの間にどのような物語があると考えているのか、プラントのマスコミで流れている情報がとても気になってしまいます。
 そして、カガリとアスランの関係の真実を知った時の彼らの反応も。
 何といっても英雄と異国の姫。さぞかし過剰な妄想をするのでしょうねー、プラントの人達は(笑)。

[17-03-13]

「仲いいってことはいいことよ?」

ミーア 「ではアスラン、また後ほど」
アスラン 「ああ…はい」
ハイネ 「仲いいんだな、結構」
アスラン 「え? あ、いや、そんなことは」
ハイネ 「いいじゃないの。仲いいってことはいいことよ?」
アスラン 「……はい、まあ」

▼ハイネの「仲いいんだな、結構」というセリフの後に続くのはどのような内容の言葉なら適切なのでしょう。
 前回書いたように、プラントではアスラクの婚約が単なる政略結婚以上の関係だと受けとられているとするなら、このハイネのセリフはそのことと矛盾しています。今更「仲が良いんだな」と確認するようなことでもないでしょう。
 他方、ハイネが「ラクス=ミーア」だと承知しているのなら、話は別です。
 すなわち、このハイネのセリフは「アスランがラクスの偽者と仲良くしてくれて俺も安心したぜ」という意味合いになると思います。
 つまり、ハイネも議長の陰謀に加担しているということです。
 ならば、ひょっとするとハイネはアスランよりも議長と近い関係にあるかも知れません。
 そういう彼がミネルバに搭乗する。
 単なる補充兵の役回りであるとは思いにくいですよね。何らかの密命を帯びている可能性が高い。
 議長を信頼しきっていない様子(毎回のように『議長は何を考えているのか』と呟くシーンがあります)のタリアの監視、もしくはアスランの監視、あるいは現在行方不明であるラクス関係の命令を受けているのでしょうか。
 ともあれ、ハイネの声優さんのことを考えると、そんなに長く登場するキャラであるとは思えないのですが……大人の事情から(笑)。
 それにしても、ハイネはOPで絵だけを見ていた時のイメージと違うキャラでした。
 もっとエリート風を吹かせたキャラかと思っていたのに、「気さくな先輩」系の性格だったとは。早々に退場させるには惜しいキャラだと思います。
▼ところで、

ハイネ 「立場の違う人間には見えてるものも違うってね」

 とハイネが言った時、ルナマリアとシンが揃ってアスランの顔を盗み見ていましたね。あのシーンが結構気になりました。
 「立場の違う者」というセリフにあの二人は反応したのだと思います。
 それでは、アスランは元からのミネルバクルーにはどのように見られているのでしょう。
 アスランは血縁社会らしきプラント(例えば一般人からもラクス(ミーア)は「ラクスさま」という呼ばれ方をされているわけですし)においてザラ家の御曹司として旧ザラ派を糾合しうるポジションにいます。
 同時に彼はフェイスの一員としてザフトに戻った人物でもあります。前大戦末期の行状について何のお咎めも無しで。
 ということは、(どうやらクライン派に近い立場にあると思しき)議長と旧ザラ派の領袖となりうる立場のアスラン──両者の間に何らかの密約があってアスランがザフトに復帰したのではないか──事情を知らなければそのように穿った見方をしても不思議ではないと思うのです。
 そういうアスランの(第三者から見れば)ミステリアスな部分にルナマリアは惹かれているのかな。そんな気がしています。

[17-03-13]