Moonlight Pegasus

機動戦士ガンダムSEED DESTINY 感想 PHASE-13 よみがえる翼

「何でお前までそう呼ぶの?」

ムウ 「おい! 何か隣の奴がさっきからジタバタうるさいんだけど。『キラ行け』って」
キラ 「アスラン?」
アスラン 「ラクスを守るんだ、絶対に……キラ」
ムウ 「『彼女を失ったら全て終わり』…だ、そうだぜ」
キラ 「カガリ! ルージュ貸して! それからブースターを!」
カガリ 「あっ、キラ!」
マリュー 「キラ君!」
キラ 「ありがとう! アスラン!」
マリュー 「…ブリッジの通信コードは覚えてるのね」
ムウ 「え?」
マリュー 「全員でキラ君のサポートを!」
ムウ 「……」
アスラン 「…ありがとう…ございます…フラガ少佐」
ムウ 「何でお前までそう呼ぶの? 俺はネオ・ノアローク『大佐』」
アスラン 「えっ……ああっ…ええっ?」

▼今回、一番和んだシーンです。
 ムウの死(仮)をけろりと忘却していたアスランさん。「ありがとうございます」→「ええっ?」の場面は何度観ても笑いが止まりません。
 やっぱりアスランさんはちょっと頭の弱い子なのかなぁ(笑)。
▼「彼女(ラクス)を失ったら全て終わり」…というのは、つまり「議長は清廉潔白な指導者に見える。だけど、彼の言動は実は欺瞞に塗れているのではないか」と地球やプラントの人々に疑問を抱かせる最大の契機と成り得るのが、ラクスとミーアの関係だからでしょうね。
 すなわち、アスランの考える打倒議長のプランにおいては、人々の前に真ラクスを再臨させることが重要な要素となっているのでしょう。
 ミーアの例で分かる通り、彼女のプラントに対する圧倒的な影響力はいまだに健在です。
 その影響力を駆使し、ラクスがプラントを押さえることができれば、議長はその権力基盤を失うことになります。
 また、ロゴスを打ち倒した議長が今や地球世界のヒーローとなりつつあることは疑う余地もありません。
 ですが、再臨したラクスがミーアのこと、あるいは己に仕掛けられた暗殺計画のことを暴露してしまえば、「正義の指導者」という議長のイメージに傷がつきます(もちろん、そんなに容易に物事が運ぶとも思えませんが、そこはほら、アニメですし/笑)
 政治家にとって、彼の虚像が偉大に見えるほど、実像を暴かれた時に受けるダメージも大きいことでしょう。
 つまり、政治家としての議長の打倒を考える場合、ラクスの存在は最大の切り札なのです。
 しかし、真のラクスを失えば、それらのシナリオの実現は不可能となってしまいます。
 だから、「ラクスを失ったら全て終わり」とアスランが焦るのは当然です。
▼また、このことから別の事柄も見えてきます。
 今回、シンは次のような言葉を口にしました。

レイ 「やはりそう簡単には終わらないな」
シン 「そんなこと無いさ! 今度見つけたら、絶対に俺が踏み潰してやる!」

 殺戮によって全てに決着をつける。
 シンの言葉はそのような意味です。…ルナマリア、ひいてましたね。この時の彼女の不安そうな表情こそ、シンが本気でこのように考えていることの証だと思うのです。
 他方、上述した通り、アスランはラクスを表舞台に登場させることで現在の混乱を終息させようとしているようです。
 つまり、アスランはシンとは対照的に殺し合い以外の方法で決着をつけようと考えているのです。
 アスランが「力による決着」を望んでいないことは、今までにも描写されてきました
 そして、その度にキラやシンによって彼の言葉や想いは踏み躙られてきたことも。
 ですが、物語はいよいよ終盤を迎えました。
 今度こそアスランの「力以外の手段による決着を」という望みは叶えられるのでしょうか。

[17-07-16]

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