「アニューがどこの誰だろうがっ!」

ライル「お前らをぶちのめせば、アニューがどこの誰だろうがっ!」

▼ライルの戦う理由が微妙にシフトしているらしきことを示唆する台詞のようにも聞こえますね。
つまり、カタロンの一員としての戦いから、もっと個人的な理由――アニューと共に暮らせる世界を作りたい、という方向へ。
だけど、その夢は次回の放送で…………………………どうなるのかなぁ。

「脳量子波にギンギンクるぜっ!」

ハレルヤ「ハハハハハハッ、この加速粒子! オレらの脳量子波にギンギンクるぜっ! そぉぉだろぉぉぉっ! アレルヤァァァ!」

▼ハレルヤさんノリノリ。
いいなぁ、トびまくってるなぁ。
つくづく思いました。半年というインターバルを置いて2期を始めたというのは、こういう効用があるのだな、と。
つまりですね。時間の経過というのは大きいな、ということです。
はっきり申し上げまして、OO1期の当時は、ハレルヤさんが登場して何かやらかすたびに「ハレルヤ空気読め」と思ったものです。
でも、今はこうして普通にみていられる。
1期の出来事も、その時抱いた感情も、今は朧気な記憶の彼方です。
だから気持ちをリセットして作品を見ることができる。
ハレルヤをこういうキャラクターにした理由を考えることもできる。
要するに、そういうことです。

「前にすら進めずに」

アレルヤ「もうよすんだ、マリー」
ピーリス「邪魔をするな! わたしは、大佐の仇をっ!」
沙慈「やめろぉぉぉぉっ!!
 もうやめてくれ。
 何も変わらない。
 仇を討っても、誰も生き返ったりはしない。
 悲しみが増えるだけだ。
 こんなことしてたら、みんなどんどんおかしくなって、どこにも……行けなくなる。
 ……前にすら進めずに」

▼沙慈……いえ、クロスロードさんのお説教!
いいなぁ、クロスロードさん、いいなぁ。
涙目で主張するあたり、いかにもクロスロードさんだぁ、という感じです。
家族を全て殺され、自分自身がズタボロにされて……それでも憎悪と復讐の感情に取り込まれず、未来を見据え、前を向いて、地味だけどひたむきに生きてきた彼の台詞だから、耳を傾けることができるんです。

“もし殺された姉さんが、霊となった今でも自分を見守ってくれているのなら、復讐を望んでいるだろうか。
 そんな後ろ向きの感情に凝り固まって、薄暗い世界の中で日々を過ごして欲しい。自分の弟に対してそう願う姉だっただろうか。
 誰かの人生を台無しにしてしまうことを願うような人だっただろうか、自分の大好きだったあの人は。”

……そんな風に沙慈は考えているんじゃないかな、と思います。
だから、彼はルイスを救うためには動いても、復讐のためには動かないんじゃないかな、と。

「戦うよ。ルイスを取り戻すために」

ルイス「沙慈……沙慈……」

▼ヤバイです、丸まってしくしく泣いてるルイスがかわいすぎ!
心の中に押し隠していた本心と向き合わされて、箍が外れてしまったのでしょうね。今までが無理しすぎていたということか。
一方その頃、クロスロードさんは。

刹那「沙慈……」
沙慈「戦うよ」
刹那「…………」
沙慈「ルイスを取り戻すために。ボクは、ボクの戦いをする」

ヤバイ、クロスロードさん、かっこいい。
この場面の直後、沙慈×ルイ大好きのせっちゃんが何を言ったのか、彼の反応もものすごく知りたいです。
来週のアバンタイトルで何かやってくれないかなぁ。

「だってわたしはイノベイターなんだから」

アニュー「『何をする?』そんなこと、決まってるわ。だってわたしは…イノベイターなんだから」

▼や、先週の放送で予告されたイノベイターに「恋路を阻」まれる存在とは、ライル&アニューのことでしたか。
むー、これは予想外。「恋路」というワードで何の疑いもなく沙慈&ルイスを思い浮かべてしまうあたり、いかにこの二人ばかり見ているかということの証明ですね(笑)。
アニューがプトレマイオスに潜伏しているイノベイターである以上、リボンズが執心するOOの強奪計画に絡むにしても、彼女のイノベイターとしての覚醒はもう少し後かと思ってました。

「彼の細胞異常は致死レベルに達しているはず」

リボンズ「ヴェーダの予測では彼の細胞異常は致死レベルに達しているはず。……ツイン・ドライブが関係している? ……まさか、変革を始めたというのか、刹那・F・セイエイが」

▼ルイスが発作に襲われている場面が今まで何度も描かれてきました。
これは強化人間として何か薬物を投与されているせいなのかな、と思っておりました。
でも、もしかすると1期で彼女の腕の細胞を破壊した疑似GN粒子のせいなのかも知れない。刹那と同様に疑似GN粒子が彼女の体を蝕んでいるのかも知れない。
今回の放送でそう思うようになりました。
ならば。
リボンズの口にしたOOガンダムの「ツインドライブ」の発する何か(通常の7倍の濃度のGN粒子?)が、刹那だけではなくルイスにとっても救いの手を差し伸べてくれるかも知れませんね。

[21-02-15]

「だってワタシがやってるンだから」

ネーナ「バーカ、知ってるワヨ、そんなこと。だってワタシがやってるンだから。何でも持ってるくせに、もっともっと欲しがって、そのくせ中身は空っぽ。ワタシね、そんなアンタがずーっと嫌いだったの! だからさァ、死んじゃえばイイヨ! ウフ、アハハハハ、フハハハハ、ウーハハハハハ、アーハハハハハ、ウフフ、ハハハ、さいっこう! もうたまんない! ハハハハ、アハハハ、ヒヒ、フハハハハ!」

▼ネーナ、笑いすぎ。
「嫌いだから殺す」って、マトモな神経の持主ではないのでデス。
「キレやすい最近の若者」どころの話ではないのデス。
と言いますか、キレやすいのは別に「最近の若者」に限ったことではないと思うのデス。
……話を元に戻すのデス。
思い起こせばOO1期、ハレヴィさんちの親戚一同を「仕合わせそうな結婚式にムカツイタ」から殺したという過去を持っているのデス、このヒトは。
「兇状持ち」というヤツでス。
常識というメガネでネーナさんの世界はのぞけやしないのデス。

というのは、さておき。
このネーナによるワン殺しの場面ですが、幾つかの可能性があると思います。
(1) ネーナが新たなスポンサーを見つけた。
 スローネのメンテナンス、ネーナ自身の衣食住の確保などのためにはそれなりの財力を有するスポンサーが必要なわけで、彼女がワンに従っていた理由のひとつはそれだったはずです。
 しかし、ネーナはワンを裏切った。つまりスポンサーとしての彼女は不要になったということでしょう。
 それは新たなスポンサーを見つけたから、と考えるのが妥当かと。
 ただ、その場合に問題なのは、新たなスポンサーが何者か、ということ。
 とりあえずリボンズ関係が有力だろうとは思いますが、ネーナはリボンズを嫌っているわけで。
 いえ、リボンズ自身というよりも、兄達を殺したアリー・アル・サーシェスのことを、と言うべきでしょうか。
 ならば、この場合、ネーナがリボンズとアリー・アル・サーシェスを切り離そうと画策して、返り討ちにあってしまう、という展開もありそうですね。
(2) リボンズを欺くため、ワンとネーナが協同して演出してみせたフェイク。
 リボンズの言葉によれば、リジェネとワンはこの数ヶ月間、たびたび接触していたとのこと。
 ならば、イノベイター達の言動がすべてリボンズに筒抜けだという事情を、リジェネを通じてワンが知っていたとしても不思議ではないでしょう。
 すなわち、ワンがヴェーダの情報を手にした段階でそれはリボンズの知るところとなり、彼による妨害が入ることは容易に予測できます。
 そこで先手を打って、ネーナと共謀して「裏切ったネーナにより殺された」という演技をしてみせたのではないか。
 リボンズの目を誤魔化すことに成功したならば、ワンは彼に対して行動の自由を得ることができます。
 この場合のポイントは、
 ・ネーナが何をしでかすか分からないスリリングな存在であること=ワンを殺すという演技にも真実みが出てくる
 および
 ・ワンの乗っていた宇宙艇がヴェーダの掌握下にある(らしい)こと=宇宙艇で何が起きたか、リボンズに分かるようになっていること
 の2点でしょうか。
(1)(2)以外にも思いついたことはあるのですが、長くなりそうなので、とりあえず今回はここまでということで。

[21-02-19]

「OOガンダムはこのボクにこそ相応しい」

リボンズ「OOガンダムはこのボクにこそ相応しい。君もそう思うだろ、リジェネ」
リジェネ「もちろんだよ、リボンズ」
リボンズ「ふ。心にもないことを」

▼何と言いますか…………この先、リボンズがちゃんとモビルスーツに乗って戦うことってあるのかなぁ。
まだ7話くらい残っているでしょうから、何とも言えませんが、彼が最後の敵ラストボスというのなら、今のうちからパイロットとしての強さ・凄さを見せつけてくれないと、1期のアレハンドロさんの二の舞になっちゃうよー、と。
もっとも、リボンズがOOガンダムを「戦闘兵器」として欲しているかどうか結論づけるのは、まだ早いと思います。
と言いますのも、以前、次のような台詞がありました。

リジェネ「この計画の第一段階はソレスタル・ビーイングの武力介入を発端とする世界の統合。
 第二段階はアロウズによる人類意思の統一。
 そして第三段階は、人類を外宇宙に進出させ……来るべき対話に備える。
 それがイオリア計画の全貌。
 ……そう、宇宙環境に適応したボクらが、人類を新たなフロンティアに導くのさ」
(#08「無垢なる歪み」)

「来るべき対話」。
それはつまり地球外文明とのコンタクトのことでしょう。
しかし、ここで疑問が。
地球外文明の担い手と「対話」なんて本当にできるの?
ファーストコンタクトを果たした相手が、人間と同じように発声器官をもっていて、空気を振動させて音声を伝えて、言葉をもっていて……等などの条件をクリアした生命体なら、まだ可能性はあります。
でも、たとえば蜘蛛が進化したような存在だったら。
樹木が進化したような存在だったら。
どうするつもりなんだろ、リボンズは……と得々と語るリジェネの台詞を聞きながら、そんなことを考えておりました。
脳量子波によるメッセージの伝達はイノベイター限定で、それも一方通行みたいですし。
ですが。
OOガンダム。
この刹那の愛機が、実はそのような問題をすべて解消してくれる魔法のアイテムだったことが判明するわけです。
12話の沙慈・刹那・ルイス達の接触、14話のマリナ合唱団の歌声。そして今回。

ミレイナ「粒子放出量が通常の7倍を示しているです」
アニュー「あれがツイン・ドライブの」
ラッセ「OOの光」
スメラギ「聞こえたわ、刹那。あなたの声が、あなたの想いが」

さらにこれ↓です。

沙慈「ボクの声を聞いただろう? ボクはソレスタル・ビーイングじゃない。ただ巻き込まれてあそこに」

沙慈の台詞を聞く限り、彼はルイスに自分がプトレマイオスに乗った経緯をあの一瞬で教えることができたようです。
すなわち、「好き」「嫌い」の気持ちのような単純なメッセージだけではなく、かなり複雑な情報も相手の脳に直接伝えることができるみたいです。
便利ですよね。こうなってしまうと、もう言葉はいらない。精神こころ精神こころ交流コミュニケートすることができる。
すなわち、ファーストコンタクトの相手がどのような形態の知的生命体であろうと問題はない。
このことから察するに、ただの戦闘兵器ではなく、「来るべき対話」に向けた計画の要だと思われます、OOガンダムは。
だからこそ、「OOガンダムはこのボクにこそ相応しい」とリボンズは言ったんじゃないかな、と思います。
そして、パイロットである刹那自身もOOが単なる戦闘マシンではないことを理解しはじめています。

刹那「兵器ではなく、破壊者でもなく、オレと……ガンダムは変わる!」

………………もっとも、リボンズは以上のようなことを少しも考えてなくて、単に一番凄そうなMSだから自分にこそ相応しい、と言っているだけ、という可能性も否めません。
その場合、「ボクが一番ガンダムをうまく使えるんだ」とアムロ声で言ってくれたらもう最高!なのですが(笑)。

▼ところで。
話は少し変わりまして、「∀ガンダム」について。
公式サイトによりますと、∀ガンダムは「本来、開発当時懸念されていた地球外の敵対勢力との武力衝突を想定して開発されて」いたとのこと(http://www.turn-a-gundam.net/mobilesuit/01.html)。
さらにその「兄弟機」とされるターンXは「太陽系外で作られた可能性」があるといいます(http://www.turn-a-gundam.net/mobilesuit/26.html)。
「∀ガンダム」は、宇宙世紀シリーズをはじめ全てのガンダム・シリーズを過去の歴史として取り込んでいる(=いわゆる「黒歴史」)作品なのですが、これまで外宇宙の文明について触れたガンダム・シリーズはありませんでした。
わずかに「SEED」で、宇宙鯨の化石を前にして「我々には時間がない。ナチュラルと争っている場合ではない」という内容の対話をパトリック・ザラとシーゲル・クラインが交わしている場面があったり、「砂漠の虎」アンドリュー・バルトフェルドがキラ・ヤマトに対して思わせぶりに宇宙鯨の化石を見せたりする場面があったりしましたが、次作である「SEED DESTINY」では、そのことについてはまるで触れられませんでした。
ですから、8話でイオリアの計画を聞いて以来、ずっとワクワクしているのです。
まともに外宇宙との接触コンタクトを描く作品になるかも知れないゾ、と。
ならば、「OO」は「∀ガンダム」の世界に直接繋がるお話を物語っているのではないか、と。
OO2期の新OPでも月光蝶によく似た「光る蝶」が飛んでいることですしね(冒頭の女性キャラクターたちが掴もうとしたり、顔を背けたりしているアレのことです)。

とはいえ、残り7話くらいですか。
第3、第4期をやってくれないと、尺が足りないような気もします。
と言いますか、作って欲しいです、第3,第4期。
……結局、これ↑が言いたかったみたいです(笑)。

[21-02-21]
文責・てんま