『D.C.III ~ダ・カーポIII~』感想

第1話「サクラサク」感想

ダ・カーポシリーズにはアニメ『D.C.IIS.S.』で嵌まった口でして。
ななかルートのコミック(D.C.II Imaginary Future)は集めたのですが、ゲームには手を出しにくいな-、と思っていたら全年齢版のIIIが発売されて、すぐさま飛びついた……というのがこれまでの経緯。

以下が第1話の感想です。
原作ゲームの内容に触れている部分も少しあります。

まず思ったこと
ゲームの一人称視点とアニメの第三者視点での描写はやはり違うな、ということ。
ゲームの場合、何かあるごとに清隆の補足説明がすぐに入りますが、アニメの場合、そうはいかない。
例えば、登場人物の学年のこと。
この学校では女子生徒の場合、リボンの色で学年を判別できます。そして、これに従えば、
  3.立夏&シャルル
  2.姫乃&さら
  1.葵
という区分ができます。
他方、姫乃は清隆を「兄さん」と呼び、さらは「先輩」と呼んでいます。また、清隆は立夏の後輩です。
この情報を取り込んで学年分けをすると、
  4.立夏&シャルル
  3.清隆
  2.姫乃&さら
  1.葵
と解釈するのが自然でしょう。でも、そうすると四つの学年のある中学校ということに。
アニメで初めてこの作品に触れた場合、さらの飛び級設定を知らなければ「あれぇ?」となってしまいます。
……もっとも、姫乃が同じ学年の清隆のことを「兄さん」と呼ぶ謎自体は残ってしまうのですが。
原作ゲームでも、風見鶏編で姫乃が清隆のことをそう呼ぶのはともかく、初音島編で「兄さん」と呼ぶ理由は明かされてないんですよね。周囲も姫乃の「兄さん」呼ばわりを普通に受け止めていますし。
過去、この幼馴染みたちに一体どんな出来事があったのやら。

次に思ったこと。
夜の場面。
ゲームのCGでは上から顔だけのぞかせているという構図でしたから気になりませんでしたが……第三者視点だと、るる姉、ベッドから落ちそう。
それにしても、ゲームでも思ったことですが、るる姉の清隆への依存具合が半端じゃない。
今回の部屋でのやり取りも、異国育ちだけあって、るる姉進んでる~……といいますか、リアル世界で「家族として暮らしている中2と中3の従姉弟どうしの関係」ってどんな感じなのかな。恋愛感情にまで発展するものなのかな。
この二人の場合はゲーム設定だと初対面が小6と中1、あるいは小5と小6(初めて会った時に「ひとつ年上で、今年から風見学園に通う」と清隆が説明)でそれ以来ずっと一緒に暮らしているから……って、状況がちょっと特殊なせいで、彼らの心情を想像するのが困難です。
とりあえず、アニメは清隆とるる姉が出会う場面を早く描いて欲しいな、と。
原作ゲームのあの場面、るる姉の笑顔がとても可愛い。
ちなみに、同じ部屋の二段ベッドで寝起きしているのも、るる姉が強引に主導したことなんだろうな、とつい思ってしまいがちですが、今確認したところ、二人が顔を合わせる前からあのベッドはすでに用意されていたようです。るる姉と会う前の清隆がそのことで愚痴っていました。
大人から見れば(当時の二人は)まだまだ子供だったのでしょうが、当の子供からするとそうでもないわけで。
色々と難しいよね、と。

それはともかくとして、確実なことがひとつ。

るる姉はにくしょく。

三つめ。
カテゴリー5の魔法使い、「孤高のカトレア」立夏さんのことです。
中2病でもダ・カーポしたい。
みんなに「設定」扱いされてぷく~っとむくれる姿が異様に可愛い。
「清隆までそういう反応するの?」と言う時の表情はもっと可愛い。
そして、この時の彼女の心の裡を想像すると、ちょっと切ない。

「――空から天使が降ってきた。」
「笑顔。今までの人生の中で様々な笑顔を見てきたけど、ここまで真っ直ぐに歓喜を表した笑顔を見たのは初めてだった。」

これが出会った時の二人の様子(原作ゲームからの引用)。
立夏の笑顔について清隆が述べていますが、ゲームで彼女のルートをクリアした後、この場面で彼女が「真っ直ぐに歓喜を表し」ている理由を想像するとね、もうね。

結論。
初音島編の立夏はとても可愛い。

四つめ。
枯れない桜にかけた清隆の願い。
「これからもこのメンバーで楽しい毎日が過ごせますように……いつまでもこのままで」
この瞬間に枯れない桜の呪いが発動したとは、この時、誰も思わなかったのでした……と視聴者は誰もがこの時同じことを考えたような気がするのですが(笑)。
いつまでも繰り返す「楽しい毎日」。
ループ世界。
もっとも、原作ゲームではこの後メインの舞台を風見鶏に移してしまうので、清隆のこの願いがどうなったのかは、結局分からず仕舞いなのですが、アニメではどうなるのかな。

五つめ。
音姉。
EDで彼女が姿を見せたことには何か意味があるのか、それとも、ただの旧作ファンへのサービスなのか。
仮に最後までアニメ本編に彼女が登場しなかった場合、D.C.IIIのアニメで初めてこのシリーズに触れた視聴者にとって、彼女は全くの謎の人物になってしまいます。
他方、アニメ版D.C.IIIへの登場をちょっと期待してしまった旧作ファンにとっては肩透かし、あるいは欲求不満の種になるでしょう。
そこで気になるのが今回のCパート。枯れない桜の根元に出現したさくらに酷似した謎の少女です。
原作ゲームには無かった要素。
それがあの少女です。
EDの「会いたいよ」というタイトル、「ボク」という一人称(これを使うのはさくらのみ)からすれば、EDはさくらの心情を歌い上げているものと解するのが素直だと思います。
つまり、アニメではさくらが大きな役割を担っている可能性があります。
希望的観測をするならば、あの少女の行動を通して、さくらが消えてからのD.C.II世界も描かれるのかな、と。描いてくれればいいな、と。

〔平成25年1月6日/文責・てんま〕

Home